PTP

1. 機能概要

PTP (Precision Time Protocol) は、測定および制御システムなどにおける複数機器の時刻を、ナノ秒単位の高精度で同期させるプロトコルです。
ネットワーク内の基準となる時刻を配信するタイムトランスミッタークロック(timeTransmitter Clock)と、配信された時刻に同期するタイムレシーバークロック(timeReceiver Clock)の間でPTPメッセージを送受信することで時刻を同期させます。
タイムトランスミッタークロックとタイムレシーバークロックをスイッチで中継する場合にPTP非対応スイッチを使用すると、転送されるPTPメッセージはスイッチが転送するのに要した時間(中継遅延時間)分遅れて各機器に届きます。
高精度で時刻を同期させるためには、この中継遅延時間も無視できません。

  • PTP非対応スイッチで中継した場合

    image

PTP対応スイッチを使用して中継した場合は、スイッチが転送するPTPメッセージにスイッチの中継遅延時間を付加するため、受信した機器でスイッチの中継遅延時間も含めて時刻を補正することができます。
このような機器をトランスペアレントクロック(TC)といいます。

  • PTP対応スイッチで中継した場合

    image

また中継以外にもスイッチ自体がタイムトランスミッタークロックとタイムレシーバークロックの機能を併せ持つことで、あるポートではタイムトランスミッタークロックと同期し、別のポートではタイムレシーバークロックに時刻を配信することもできます。
このような機器をバウンダリークロック(BC)といいます。
このケースではタイムトランスミッタークロックとの同期が完了していれば、一時的にタイムトランスミッタークロックが切断されたとしてもある程度精度を維持した状態でタイムレシーバークロックに時刻を配信し続けられます。

  • PTP対応スイッチで時刻の同期と配信を行う場合
    image

本製品では PTPv2 (IEEE1588-2008) をサポートしています。

本製品のトランスペアレントクロックは1ステップまたは2ステップのエンドツーエンドメカニズムを採用した構成でのみ使用可能です。

本製品のバウンダリークロックはエンドツーエンドメカニズムを採用した構成でのみ使用可能です。またグランドマスタークロックがない構成でも自機のクロックを使用してタイムトランスミッタークロックとして動作します。

本製品のトランスペアレントクロックおよびバウンダリークロックはピアツーピアメカニズムを採用した構成では動作しません。

2. 用語の定義

タイムトランスミッタークロック

通信経路上のPTP対応機器が同期する、基準となる時刻を配信するPTP対応機器。

タイムレシーバークロック

タイムトランスミッタークロックから配信される時刻に同期するPTP対応機器。

トランスペアレントクロック(TC)

PTPメッセージがデバイスを通過するのに要した時間を測定し、その情報をPTPメッセージに反映して中継する機器。

バウンダリークロック(BC)

タイムトランスミッタークロックとタイムレシーバークロックの機能を併せ持つ機器。上流のタイムトランスミッタークロックから配信される時刻に同期し、下流のタイムレシーバークロックに時刻を配信する。

エンドツーエンドメカニズム(E2E)

タイムトランスミッタークロックとタイムレシーバークロック間で伝送遅延時間を測定する仕組み。
バウンダリークロックは、ポートごとにタイムトランスミッタークロックまたはタイムレシーバークロックとして対向機器との間で伝送遅延時間を測定する。
トランスペアレントクロックは、転送する際に中継遅延時間のみをPTPメッセージに付与する。

1ステップ

PTPメッセージを送信する際に時刻情報を取得し、同じメッセージで時刻情報を通知する方法。

2ステップ

PTPメッセージを送信する際に時刻情報を保存しておき、別のメッセージで時刻情報を通知する方法。

ベストタイムトランスミッタークロックアルゴリズム(BTCA)

複数のタイムトランスミッタークロックからより優れたクロックを選出するアルゴリズム。

3. 機能詳細

本製品は、以下の機能に対応します。

  • 動作モードの設定

  • PTPメッセージ転送プロトコルの設定

  • クロックのプライオリティの設定

  • クロックのドメイン番号の設定

  • PTPメッセージの送信間隔の設定

  • PTPメッセージの受信タイムアウトの設定

  • PTPメッセージの送受信に使用するVLANを設定

3.1. 動作モードの設定

本製品は、PTPv2(IEEE1588-2008) に対応した トランスペアレントクロック および バウンダリークロック 機能を提供します。
動作モードを トランスペアレントクロック に設定すると、スイッチを経由するSyncメッセージおよびDelay_Requestメッセージにスイッチ内部で発生した遅延時間を付加します。
動作モードを バウンダリークロック に設定すると、スイッチ内部のクロックをタイムトランスミッタークロックと同期させます。また、スイッチ内部のクロックを使用してタイムレシーバークロックに時刻を配信します。
動作モードは ptp mode コマンドで設定します。

3.2. PTPメッセージ転送プロトコルの設定

PTPメッセージは様々なフレームフォーマットを使用して転送することができます。
PTPメッセージをスイッチが正しく処理するためには、タイムトランスミッタークロックやタイムレシーバークロックと同じフレームフォーマットを使用する必要があります。
本製品では、 IPv4 UDP 、 IPv6 UDP および L2 Ether フレーム をサポートしています。
転送プロトコルは ptp transport protocol コマンドで設定します。

3.3. クロックのプライオリティの設定

PTPは複数のタイムトランスミッタークロックが存在している場合、ベストタイムトランスミッタークロックアルゴリズムによって同期すべきクロックを決定します。
ベストタイムトランスミッタークロックアルゴリズムで比較されるパラメータには priority1 および priority2 が含まれているため、期待通り選出させるためにはこの値を設定して優先度を制御する必要があります。
本製品のバウンダリークロックモードでは、クロックのプライオリティを 0〜255 の範囲で変更可能です。
クロックのプライオリティは ptp priority1 および ptp priority2 コマンドで設定します。

3.4. クロックのドメイン番号の設定

ドメインは互いに作用して時刻同期を行うPTP対応機器の論理的なグループです。
PTP対応機器が正しく同期するためには、ドメインの識別子であるドメイン番号が一致している必要があります。
本製品のバウンダリークロックモードでは、クロックのドメイン番号を 0〜127 の範囲で変更可能です。
クロックのドメイン番号は ptp domain コマンドで設定します。

3.5. PTPメッセージの送信間隔の設定

PTP対応機器はそれぞれの役割に応じて、複数のPTPメッセージを周期的に送信します。
送信間隔はPTPメッセージごとにドメイン内で統一されており、各機器はこの送信間隔に従う必要があります。
本製品のバウンダリークロックモードでは、各PTPメッセージの送信間隔を以下の表の値で設定します。

  • 設定値と送信間隔の対応表

    設定値 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

    送信間隔

    1/16 秒

    1/8 秒

    1/4 秒

    1/2 秒

    1秒

    2秒

    4秒

    8秒

    16秒

Syncメッセージの送信間隔は ptp sync interval コマンドで設定します。
Delay-Requestメッセージの送信間隔は ptp delay-req interval コマンドで設定します。
Announceメッセージの送信間隔は ptp announce interval コマンドで設定します。

3.6. PTPメッセージの受信タイムアウトの設定

PTP対応機器はAnnounceメッセージの受信状況が状態遷移に影響します。
Announceメッセージの受信タイムアウト設定は、Announceメッセージを連続で受信しない状況を許容する回数を設定します。
本製品のバウンダリークロックモードでは、Announceメッセージの受信タイムアウトを 2〜10 の範囲で変更可能です。
Announceメッセージの受信タイムアウトは ptp announce timeout-interval コマンドで設定します。

3.7. PTPメッセージの送受信に使用するVLANを設定

本製品のバウンダリークロックモードは、通常ネイティブVLANで動作します。
トランクポートでネイティブVLAN以外のVLANでPTPメッセージを送受信したい場合は ptp vlan コマンドで設定します。

4. 対応プロファイル

PTPには、特定の用途や要件に応じてプロファイルが定義されています。
プロファイルは、必須オプション、禁止オプション、および構成可能な属性の範囲と既定値をまとめたものです。
用途ごとに定義されたプロファイルに対応した機器を使用し、設定を揃えることで要件を満たすパフォーマンスを発揮することができます。
本製品は以下のプロファイルをサポートしています。

4.1. Default プロファイル

IEEE Std 1588-2008 で定義された、基本的なプロファイルです。
本製品のトランスペアレントクロックはDefault プロファイルに対応しています。
またバウンダリークロックは以下の設定範囲でDefault プロファイルに対応しています。

項目 対応可能な設定値 プロファイルの初期値

BTCA

Default

-

転送プロトコル

Layer2, IPv4, IPv6

-

伝送遅延測定メカニズム

delay request-responce (E2E)

-

priority1

0 〜 255

128

priority2

0 〜 255

128

ドメイン番号

0 〜 127

0

Announceメッセージの送信間隔

0 〜 4

1

Announceメッセージの受信タイムアウト

2 〜 10

3

Syncメッセージの送信間隔

-1 〜 1

0

Delay-Requestメッセージの送信間隔

0 〜 4

0

4.2. SMPTEプロファイル

ST 2059-2:2015 で定義された、映像配信分野向けのプロファイルです。
本製品のトランスペアレントクロックはSMPTEプロファイルに対応しています。
またバウンダリークロックは以下の設定範囲でSMPTEプロファイルに対応しています。

項目 対応可能な設定値 プロファイルの初期値

BTCA

Default

-

転送プロトコル

IPv4, IPv6

-

伝送遅延測定メカニズム

delay request-responce (E2E)

-

priority1

0 〜 255

128

priority2

0 〜 255

128

ドメイン番号

0 〜 127

127

Announceメッセージの送信間隔

-3 〜 1

-2

Announceメッセージの受信タイムアウト

2 〜 10

3

Syncメッセージの送信間隔

-4 〜 -1

-3

Delay-Requestメッセージの送信間隔

-4 〜 4

-3

5. 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。

操作項目 操作コマンド

システムのPTPの設定

ptp

インターフェースのPTPの設定

ptp

動作モードの設定

ptp mode

PTPメッセージの転送プロトコルの設定

ptp transport protocol

PTPクロックのプライオリティ1の設定

ptp priority1

PTPクロックのプライオリティ2の設定

ptp priority2

PTPクロックのドメイン番号の設定

ptp domain

PTPのSyncメッセージの送信間隔を設定

ptp sync interval

PTPのDelay-Requestメッセージの送信間隔を設定

ptp delay-req interval

PTPのAnnounceメッセージの送信間隔を設定

ptp announce interval

PTPの Announceメッセージの受信タイムアウトを設定

ptp announce timeout-interval

PTPメッセージの送受信に使用するVLANを設定

ptp vlan

システムのPTP設定状態の表示

show ptp

インターフェースのPTP設定情報の表示

show ptp interface

システムのクロック情報を表示

show ptp data

インターフェースのクロック情報を表示

show ptp port-data

インターフェースの統計情報を表示

show ptp statistics

Sync-E 入力ポートの設定

sync-e input-source

6. コマンド実行例

6.1. エンドツーエンド トランスペアレントクロック設定

PTPメッセージの転送プロトコルとして IPv4 UDP を使用します。
タイムトランスミッタークロックおよびタイムレシーバークロックを接続したインターフェースのPTP機能を有効にします。
PTP非対応機器を接続したインターフェースのPTP機能は無効のままとします。

image

  1. PTPメッセージの転送プロトコルを IPv4 UDP に設定します。

    Yamaha(config)#ptp transport protocol ipv4-udp
  2. システムのPTP機能を有効にします。

    Yamaha(config)#ptp enable
  3. インターフェースのPTP機能を有効にします。

    Yamaha(config)#interface port1.1
    Yamaha(config-if)#ptp enable (1)
    Yamaha(config-if)#exit
    Yamaha(config)#interface port1.7
    Yamaha(config-if)#ptp enable (2)
    Yamaha(config-if)#exit
    Yamaha(config)#interface port1.8
    Yamaha(config-if)#ptp enable (3)
    Yamaha(config-if)#exit
    1 port1.1のPTP機能を有効にする
    2 port1.7のPTP機能を有効にする
    3 port1.8のPTP機能を有効にする
  4. PTPの設定を確認します。

    Yamaha#show ptp
      PTP State                 : Enabled
      PTP Mode                  : Transparent Clock
      Delay Mechanism           : End to End
      Step Mode                 : One-step
      Transport Protocol        : UDP (IPv4)
  5. インターフェースのPTP設定を確認します。

    Yamaha#show ptp interface
    AI: Anounce Interval     AT: Announce Receipt Timeout
    SI: Sync Interval        DI: Delay Request Interval
    
    Interface  PTP       AI   AT   SI   DI
    -----------------------------------------
    port1.1    Enable     1    3    0    0
    port1.2    Disable    1    3    0    0
    port1.3    Disable    1    3    0    0
    port1.4    Disable    1    3    0    0
    port1.5    Disable    1    3    0    0
    port1.6    Disable    1    3    0    0
    port1.7    Enable     1    3    0    0
    port1.8    Enable     1    3    0    0

6.2. エンドツーエンド バウンダリークロック設定

SMPTEプロファイル(ST 2059-2)の構成を想定し、基本設定は以下とします。

  • システムの設定

    • PTPメッセージの転送プロトコル : IPv4 UDP(初期値)

    • ドメイン番号 : 127

  • インターフェースの設定

    • Syncメッセージの送信間隔 : -3 (1/8秒)

    • Delay-Requestメッセージの送信間隔 : -3 (1/8秒)

    • Announceメッセージの送信間隔 : -2 (1/4秒)

    • Announceメッセージの受信タイムアウト : 3(初期値)

  • VLANの設定

    • IPアドレス : 192.168.100.x /24(xはpriority1と同じとする)

またグランドマスタークロックで障害が発生したときには、グランドマスタークロック直下のスイッチがタイムトランスミッタークロックになるよう優先度を以下のようにします。

  • Switch #Aのpriority1 : 10

  • Switch #Bのpriority1 : 20

image

  1. [Switch #A] BCモードに設定します。

    Yamaha(config)#ptp mode boundary delay-mechanism e2e
  2. [Switch #A] 転送プロトコルをIPv4 UDPに設定します。

    Yamaha(config)#ptp transport protocol ipv4-udp
  3. [Switch #A] ドメイン番号を127に設定します。

    Yamaha(config)#ptp domain 127
  4. [Switch #A] プライオリティ1を10に設定します。

    Yamaha(config)#ptp priority1 10
  5. [Switch #A] LANポート #1 ~ #2 の各種メッセージ送信間隔と受信タイムアウトを設定し、PTPを有効にします。

    Yamaha(config)#interface port1.1
    Yamaha(config-if)#ptp sync interval -3               ... Syncメッセージの送信間隔を -3 (1/8秒) にする
    Yamaha(config-if)#ptp delay-req interval -3          ... DelayRequestメッセージの送信間隔を -3 (1/8秒) にする
    Yamaha(config-if)#ptp announce interval -2           ... Announceメッセージの送信間隔を -2 (1/4秒) にする
    Yamaha(config-if)#ptp announce timeout-interval 3    ... Announceメッセージの受信タイムアウトを 3 にする
    Yamaha(config-if)#ptp enable
    (上記設定をLANポート #2に対しても行います。)
  6. [Switch #A] VLANのIPアドレスを設定します。

    Yamaha(config)#interface vlan1
    Yamaha(config-if)#ip address 192.168.100.10/24
  7. [Switch #A] システムのPTP機能を有効にします。

    Yamaha(config-if)#exit
    Yamaha(config)#ptp enable
  8. [Switch #B] BCモードに設定します。

    Yamaha(config)#ptp mode boundary delay-mechanism e2e
  9. [Switch #B] 転送プロトコルをIPv4 UDPに設定します。

    Yamaha(config)#ptp transport protocol ipv4-udp
  10. [Switch #B] ドメイン番号を127に設定します。

    Yamaha(config)#ptp domain 127
  11. [Switch #B] プライオリティ1を20に設定します。

    Yamaha(config)#ptp priority1 20
  12. [Switch #B] LANポート #1 ~ #2 の各種メッセージ送信間隔と受信タイムアウトを設定し、PTPを有効にします。

    Yamaha(config)#interface port1.1
    Yamaha(config-if)#ptp sync interval -3               ... Syncメッセージの送信間隔を -3 (1/8秒) にする
    Yamaha(config-if)#ptp delay-req interval -3          ... DelayRequestメッセージの送信間隔を -3 (1/8秒) にする
    Yamaha(config-if)#ptp announce interval -2           ... Announceメッセージの送信間隔を -2 (1/4秒) にする
    Yamaha(config-if)#ptp announce timeout-interval 3    ... Announceメッセージの受信タイムアウトを 3 にする
    Yamaha(config-if)#ptp enable
    (上記設定をLANポート #2に対しても行います。)
  13. [Switch #B] VLANのIPアドレスを設定します。

    Yamaha(config)#interface vlan1
    Yamaha(config-if)#ip address 192.168.100.20/24
  14. [Switch #B] システムのPTP機能を有効にします。

    Yamaha(config-if)#exit
    Yamaha(config)#ptp enable
  15. LANケーブルを接続します。

  16. [Switch #A] システムのクロック情報のDefault Data setを表示し、ドメイン番号とプライオリティ1の設定が反映されていることを確認します。

    Yamaha#show ptp data default
    CLOCK(Boundary Clock)
       Two Step Flag           : Yes
       Clock Identity          : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0a
       Number Of Ports         : 30
       Clock Quality
         Class                 : 248
         Accuracy              : 39
         Offset (log variance) : ffff
       Priority1               : 10          ... 10 であることを確認する
       Priority2               : 128
       Domain Number           : 127         ... 127 であることを確認する
       Slave Only              : No
  17. [Switch #A] インターフェースのクロック情報で、 LANポート #1 ~ #2 の Port State を確認します。
    グランドマスタークロックと同期するために調整中である場合は、LANポート #1が [PTP_UNCALIBRATED] と表示されるので同期するまでしばらく(通常であれば数秒程度)待ちます。
    グランドマスタークロックと正常に同期できた場合、LANポート #1が [PTP_TIMERECEIVER] 、LANポート #2 が [PTP_TIMETRANSMITTER] と表示されます。

    Yamaha#show ptp port-data
    ===========================================
    Interface port1.1
    
      Port State [PTP_TIMERECEIVER]
      Port Clock Identity                      : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0a
      Port Number                              : 1
      Mean Path Delay                          : 0
      Announce interval (log base 2)           : -2
      Announce Receipt Timeout                 : 3
      Sync Interval (log base 2)               : -3
      Delay Mechanism                          : End to end
      Delay Request Interval (log base 2)      : -3
      PTP version                              : 2
    ===========================================
    Interface port1.2
    
      Port State [PTP_TIMETRANSMITTER]
      Port Clock Identity                      : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0a
      Port Number                              : 2
      Mean Path Delay                          : 0
      Announce interval (log base 2)           : -2
      Announce Receipt Timeout                 : 3
      Sync Interval (log base 2)               : -3
      Delay Mechanism                          : End to end
      Delay Request Interval (log base 2)      : -3
      PTP version                              : 2
  18. [Switch #A] システムのクロック情報のParent Data setを表示し、 Parent Port Identity の Clock Identity がグランドマスタークロックのクロックIDであることを確認します。
    また Grandmaster の Clock Identity もグランドマスタークロックのクロックIDであることを確認します。

    Yamaha#show ptp data parent
    CLOCK(Boundary Clock)
       Parent Port Identity
         Clock Identity                        : 00:00:5e:ff:fe:00:53:00          ... グランドマスタークロックのクロックIDであることを確認する
         Port Number                           : 1
       Parent Stats                            : No
       Observed Parent Offset (log variance)   : ffff
       Observed Parent Clock Phase Change Rate : 7fffffff
       Grandmaster
         Clock Identity                        : 00:00:5e:ff:fe:00:53:00          ... グランドマスタークロックのクロックIDであることを確認する
         Clock Quality
           Class                               : 6
           Accuracy                            : 33
           Offset (log variance)               : ffff
         Priority1                             : 1
         Priority2                             : 128
  19. [Switch #A] システムのクロック情報のCurrent Data setを表示し、現在のクロックの状態を確認します。
    Offset From timeTransmitter は、グランドマスタークロックとの時刻誤差(ナノ秒単位)です。
    Mean Path Delay は、グランドマスタークロックとの平均伝播時間(ナノ秒単位)です。

    Yamaha#show ptp data current
    CLOCK(Boundary Clock)
       Steps Removed      : 1
       Offset From timeTransmitter : -2
       Mean Path Delay    : 52
  20. [Switch #B] システムのクロック情報のDefault Data setを表示し、ドメイン番号とプライオリティ1の設定が反映されていることを確認します。

    Yamaha#show ptp data default
    CLOCK(Boundary Clock)
       Two Step Flag           : Yes
       Clock Identity          : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0b
       Number Of Ports         : 30
       Clock Quality
         Class                 : 248
         Accuracy              : 39
         Offset (log variance) : ffff
       Priority1               : 20          ... 20 であることを確認する
       Priority2               : 128
       Domain Number           : 127         ... 127 であることを確認する
       Slave Only              : No
  21. [Switch #B] インターフェースのクロック情報で、 LANポート #1 ~ #2 の Port State を確認します。
    Switch #A と同期するために調整中である場合は、LANポート #1が [PTP_UNCALIBRATED] と表示されるので同期するまでしばらく(通常であれば数秒程度)待ちます。
    Switch #A と正常に同期できた場合、LANポート #1が [PTP_TIMERECEIVER] 、LANポート #2 が [PTP_TIMETRANSMITTER] と表示されます。

    Yamaha#show ptp port-data
    ===========================================
    Interface port1.1
    
      Port State [PTP_TIMERECEIVER]
      Port Clock Identity                      : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0b
      Port Number                              : 1
      Mean Path Delay                          : 0
      Announce interval (log base 2)           : -2
      Announce Receipt Timeout                 : 3
      Sync Interval (log base 2)               : -3
      Delay Mechanism                          : End to end
      Delay Request Interval (log base 2)      : -3
      PTP version                              : 2
    ===========================================
    Interface port1.2
    
      Port State [PTP_TIMETRANSMITTER]
      Port Clock Identity                      : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0b
      Port Number                              : 2
      Mean Path Delay                          : 0
      Announce interval (log base 2)           : -2
      Announce Receipt Timeout                 : 3
      Sync Interval (log base 2)               : -3
      Delay Mechanism                          : End to end
      Delay Request Interval (log base 2)      : -3
      PTP version                              : 2
  22. [Switch #B] システムのクロック情報のParent Data setを表示し、 Parent Port Identity の Clock Identity が Switch #A のクロックIDであることを確認します。
    また Grandmaster の Clock Identity がグランドマスタークロックのクロックIDであることを確認します。

    Yamaha#show ptp data parent
    CLOCK(Boundary Clock)
       Parent Port Identity
         Clock Identity                        : 00:00:5e:ff:fe:00:53:0a          ... Switch #A のクロックIDであることを確認する
         Port Number                           : 2
       Parent Stats                            : No
       Observed Parent Offset (log variance)   : ffff
       Observed Parent Clock Phase Change Rate : 7fffffff
       Grandmaster
         Clock Identity                        : 00:00:5e:ff:fe:00:53:00          ... グランドマスタークロックのクロックIDであることを確認する
         Clock Quality
           Class                               : 6
           Accuracy                            : 33
           Offset (log variance)               : ffff
         Priority1                             : 1
         Priority2                             : 128
  23. [Switch #B] システムのクロック情報のCurrent Data setを表示し、現在のクロックの状態を確認します。
    Offset From timeTransmitter は、Switch #A との時刻誤差(ナノ秒単位)です。
    Mean Path Delay は、Switch #A との平均伝播時間(ナノ秒単位)です。

    Yamaha#show ptp data current
    CLOCK(Boundary Clock)
       Steps Removed      : 2
       Offset From timeTransmitter : 3
       Mean Path Delay    : 127

7. 注意事項

  • 本機能は通信速度1G、10G、25Gおよび100Gbpsのみサポートしています。

  • 本機能はスタック機能と併用できません。

  • PTPv2メッセージはIGMP/MLDスヌーピングが有効な場合でも常にフラッディングされます。

  • PTPv1メッセージは透過されます。

  • 本機能のバウンダリークロックは、起動時にシステムから取得した時刻をPTPクロックの初期値とするため、事前にNTP等でシステム時刻を合わせておくことを推奨します。

  • 本機能によってシステム時刻は補正されません。

  • 本機能とリンクアグリゲーションの併用はサポートしていません。

  • 本機能のバウンダリークロックが動作しているポートでは、精度や安定した動作のためにできるだけ不要な機能を併用しないことを推奨します。

  • 本機能とスパニングツリーの併用は推奨していません。

  • 本製品はSync-Eには対応していません。

8. 関連文書

  • PTP

    • IEEE1588-2008